「沙羅の花をめでる会 落語と民謡の夕べ」がこのほど、益田市七尾町の妙義寺で開かれ、浜田市を拠点に活動する3人の落語や三味線を来場者約120人が楽しんだ。
落語では古典落語の定番演目「粗忽(そこつ)長屋」、商売下手な古道具屋が太鼓を大名に売る滑稽噺(ばなし)「火焔(かえん)太鼓」を市民落語家の2人が披露した。
夏風(かふう)亭あっ晴さんによる「粗忽長屋」は、八五郎が身元不明の遺体を同じ長屋に住む熊五郎だと勘違いする。生きている本人に「お前はもう死んでいる」と信じ込ませて遺体を本人に引き取らせる筋立て。軽妙な語り口の落語に来場者から笑いが起きていた。
友人と訪れた益田市本町の蔵谷啓子さん(75)は「新鮮な語り口で内容がすっと入りやすく面白かった」と話した。
三味線では津軽じょんがら節や隠岐しげさ節といった民謡など7曲が演奏された。
会は妙義寺がくつろぎのひとときを過ごしてもらおうと毎年、境内のナツツバキ(沙羅の木)の花が咲くこの時季に開いている。
(堀尾珠里花)