1988年のデビュー以来、「うしおととら」「からくりサーカス」「黒博物館 ゴースト アンド レディ」など、数々の作品を休みなしで生み出してきた漫画家、藤田和日郎さんの創造の秘密に迫るロングインタビュー第3弾。最終回は最新作「シルバーマウンテン」について語っていただきました。藤田さんの全てをさらけ出す「強さ」が見えてきた!
【ふじた・かずひろ】1964年北海道旭川市生まれ。漫画家あさりよしとおさんのアシスタントなどを経て、88年に「連絡船奇譚」でデビュー。代表作の一つ「うしおととら」で小学館漫画賞少年部門受賞。「からくりサーカス」「月光条例」「双亡亭壊すべし」などの少年漫画に加え、「黒博物館」シリーズなどの青年漫画でも知られる。「黒博物館 ゴースト アンド レディ」は2024年、劇団四季でミュージカル化。漫画家を目指す若者に向けた漫画論「読者ハ読ムナ(笑)」も飯田一史さんとの共著で刊行した。
【(1)悲劇の童話に抱いた憎しみ】
●記者 「月光条例」では、ヒロインの「エンゲキブ(演劇部)」が、最後の戦いでほほ笑みながら言う「死なせて」で一番泣きました。「マッチ売りの少女」「シンデレラ」などのおとぎ話の世界を狂わせてしまう「青い月の光」に、主人公の岩崎月光や、エンゲキブたちが立ち向かっていくストーリ...












