松江ゆかりの文豪、小泉八雲の妻セツを主人公のモデルにした今秋のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」の放送を前に、堀川遊覧船の船頭らを対象にした研修会がこのほど、松江市内であり、参加した70人がセツや八雲に与えた影響や怪談について知識を深めた。
堀川遊覧船は、小泉八雲記念館(松江市奥谷町)など航路周辺に関連施設があることから、堀川遊覧船を運航する市観光振興公社が企画した。
講師を務めた八雲のひ孫で小泉八雲記念館館長の小泉凡さんは、セツが山陰に伝わる口承文芸のほか、古書店で奇談集を買い集め、八雲に読み聞かせていたと紹介。「小豆とぎ橋」が伝わる普門院(同市北田町)や、「狐(きつね)の恩返し」の舞台とされる松江城や塩見縄手周辺など遊覧船航路沿いに、怪談に関連する地域があるとし「怪談のふるさと松江を多くの人に感じてほしい」と話した。
船頭の河原志磨子さん(73)は「新しい話がいっぱいあった。お客さまに伝えたい」と話した。
(藤井俊行)