全国で新型コロナウイルス感染者が自宅療養中に重症化や死亡するケースが相次ぐのを受け、島根県が20日、自宅で過ごす患者への具体的な支援態勢を示した。健康観察に使う医療機器を貸し出し、電話による複数回の健康確認や訪問診療で病状悪化に備える。

 自宅療養の患者やその家族には、療養中の注意事項をまとめた専用マニュアルを渡す。体温計や血中の酸素濃度を測る医療機器を貸し出すほか、食料も届ける。看護師が1日複数回、電話で病状を確認し、悪化した場合はオンライン診療や訪問看護をして、必要に応じて入院に切り替える。

 感染者数増加を受け県は、感染が判明した人を原則全員入院させる方針を見直し、重症化リスクの高い人の入院を優先する。自宅療養は、軽症か無症状で日常生活を送れる患者に限り、都市部で死亡例が確認されている糖尿病や肥満などの基礎疾患がある人や妊婦は原則入院する。

 県感染症対策室の田原研司室長は「入院すべき人が入院できなくなる状況をつくらないための取り組み。症状を見極め、適切に支援していく」と話した。 (佐々木一全)