「核の被害について伝承活動をしてきたことが受賞理由に挙げられている」。松江市内で23日、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表理事・本間恵美子(75)=松江市苧町=がノーベル平和賞について、小中学生約30人に語りかけた。今の子どもには戦争体験者は祖父母世代よりも上で、戦争も原爆も遠い話になってきている。惨禍をどう伝えるのかに腐心する。

#(上)ノーベル平和賞はエール
#(下)8月6日と9日、実体験なくても

学芸員の仕事がヒント

 ヒントになりそうなのは学芸員として積んだキャリアだ。本間は松江市の島根県立八雲立つ風土記の丘の学芸員として、1972年の開所当初から約40年にわたり展示に携わった。全国的に考古学上の新発見が相次ぎ濃密な期間だった。

 県東部でも風土記の丘開所直前に、...