二十世紀梨を満載して京阪神に向け、出発するトラック=鳥取県湯梨浜町中興寺、JA鳥取中央東郷梨選果場
二十世紀梨を満載して京阪神に向け、出発するトラック=鳥取県湯梨浜町中興寺、JA鳥取中央東郷梨選果場

 鳥取県特産「二十世紀梨」の主産地・湯梨浜町で22日、2021年産の露地物の出荷式があった。栽培115年の歴史に裏打ちされた生産技術で例年以上の大玉傾向となり、糖度も上々。トップブランド「東郷二十世紀梨」として近く、山陰両県や京阪神、中四国を中心に小売店に並ぶ。

 交配作業を終えた4月以降、霜やあられ、強風による落果などの被害が相次いだが、甘さを左右する日照時間に恵まれ、生産者の小まめな水管理もあって良好な出来栄えとなった。

 JA鳥取中央東郷果実部の245戸が約67ヘクタールで栽培。9月中旬までに出荷量、販売額ともに前年並みの1250トン、6億5千万円を見込む。

 湯梨浜町は面積ベースで県産の約3割を占めるが、新品種との競合などで産地縮小が続く。栽培振興に向け、町内では新たな生産団地を造成中だ。

 JA鳥取中央東郷梨選果場(湯梨浜町中興寺)で、京阪神向けの初荷を見送った東郷果実部の寺地政明部長(65)は「新規生産者を呼び込むためにも、近年の高単価を維持したい。品質に自信はある」と話した。

      (田淵浩平)