新型コロナウイルスワクチンの若者への接種が課題になっています。
Q 課題とは。
A 接種に消極的な人が多いことです。国立精神・神経医療研究センターの調査では、避けたいと答えた若年者(15~39歳)は15%で、高齢者(65~79歳、6%)の2倍以上でした。
Q なぜですか。
A 副反応への不安が大きいようです。ワクチンを打たない理由を複数回答で尋ねると、若年者では「副反応が心配」が68%と最大で、続く「あまり効果があるとは思わない」は19%でした。「自分は重症化しないと思うから」「自分は感染しないと思うから」もそれぞれ10%で、高齢者の回答率を大きく上回りました。
Q 他国の状況は。
A 同じような傾向です。若者への接種を促すため、無料で食料を振る舞ったりアイドルとの交流機会を提供したりするなど各国が知恵を絞っています。
Q そこまで若者の接種に躍起になる理由は。
A 一つは集団免疫の獲得です。人口の7割が接種することが重要とされ、若者の接種率が鍵を握ります。また日本の場合、高齢者接種が進む中で若者の感染者が多くを占めるようになりました。入院する人も増えており、医療提供体制の崩壊を防ぐためには若者を含め多くの人に接種してもらうことが大切です。
Q 若者に接種を勧めるのは駄目ですか。
A 接種は強制ではないので、打つかどうかは個人の判断です。ただ、インターネット上のデマや誤った情報に戸惑う若者も少なくなく、正確な情報を丁寧に伝える必要があります。副反応が心配な人には症状や対処方法を具体的に説明し、後遺症などの感染リスクについて理解を深めることも大事です。