(挿絵・Azu)
(挿絵・Azu)
(挿絵・Azu)

 大井川越す大名行列

国元の自慢の品も数知れず  (出雲)野村たまえ

遠州の土産はやはり茶とみかん(松江)森  笑子

降り続く雨に宿場はほくそ笑み(松江)花井 寛子

若殿の初の国入り待ちかねて (益田)可部 章二

大切な文(ふみ)は畳んで髷(まげ)の中   (浜田)酒井 由美

爺さんの唸る浪曲最高潮   (浜田)三隅  彰

人足に紛れ隠密暗躍し   (雲南)ワタくんの爺

みごとなる遠近法の筆さばき

           (埼玉・所沢)栗田  枝

爺さんは人足役のエキストラ (松江)高木 酔子

ここだけで仕事終わったエキストラ

              (安来)根来 正幸

土手を行く風に六尺はためいて(雲南)横山 一稔

広重はやっと来たかと筆を出し(益田)石川アキオ

浮世絵がずらりと並ぶ美術館 (米子)板垣スエ子

ここからがまだまだ遠い松江城

            (出雲)はなやのおきな

シワイのは箱根の山とお年寄り(益田)石田 三章

撮影はドローン使って無事終わり

              (浜田)松井 鏡子

雲州は人参方で資金繰り   (松江)庄司  豊

足軽は石を重しに歩かされ  (江津)花田 美昭

見栄捨てて徒歩(かち)渡りする五千石(松江)桃屋  壽

バカ殿が流されて行くハプニング

              (松江)安東 和実

水底で河童一家は息ひそめ  (益田)吉川 洋子

お宝は旧家の蔵に眠る絵図  (浜田)勝田  艶

橋架けぬ狸オヤジの悪だくみ (美郷)源  瞳子

生麦で外国人を無礼討ち   (松江)持田 高行

楽しみは鰹づくしの夕御飯  (松江)植田 延裕

ウォーリーがどこかに紛れているらしい

              (益田)黒田ひかり

システムを考え出した人偉い (松江)加茂 京子

気の弱い殿様上目づかいして (出雲)吾郷 寿海

もう一度白い巨塔を読み返し (飯南)塩田美代子

八秒で鉄橋渡るひかり号   (江津)井原 芳政

            ◇

 「文」には、「文読む月日重ねつつ」のような真面目な意味もありますが、「英語で文書く親の前、親は勉強(べんきょ)すと言(ゆ)てほめる」(明治の戯れ歌)なんて怪しからぬ意味もありました。由美さんの句は、もちろん後者。

 「シワイ」は石見弁で、つらいとか、苦しいとかいう意味で使うことばだそうです。「お年寄り」は役職名かと思いますが、いずれにしても、年も重ね、経験も積んでいるのでしょう。

 『白い巨塔』は、1965(昭和40)年に単行本が出た山崎豊子の長編小説。大学病院には、教授を先頭に医局員たちが連なって病室を回る「総回診」という儀式があって、俗に「大名行列」と揶揄されております。美代子さんは、この「大名行列」からヒントを得られたのでした。みごとな発想の転換です。

 もっとも、「大名行列」と呼ばれるものは他にもあります。たとえば、大物政治家がそろって選挙の応援にかけつける、なんてのもそうですね。このテの作品も出てくるだろうと、実は期待していたのですが、一つもなくて残念でした。

 みなさん、「大井川」にこだわりすぎか。私の責任もあります。これからは、話半分に聞いてください。

            ◇

  世論調査も下請けに出す

 そういう世の中だそうです。内閣の支持率なんて、マスコミ各社によって、かなり数字が違うこともありますが、大丈夫なのでしょうか。

 次は、この句に五七五を付けてください。

              (島根大名誉教授)

            =第2、第4木曜掲載=

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