『怪談』の冒頭に編まれた小泉八雲の代表作。セツが『臥遊奇談』巻之二「琵琶秘曲泣ニ幽霊一(びわのひきょくゆうれいをなかしむ)」を語り、大幅に肉付けされる形で再話された作品です。

 セツはこう回想します。「『耳なし芳一』を書いています時のことでした。日が暮れてもランプをつけていません。私はふすまを開けないで次の間から、小さい声で、芳一芳一と呼んで...