出雲市多伎町での地滑りに伴うJR山陰線の一部運休で、大田市などから出雲市内の高校に通う際、始発に乗っても始業に間に合わない事態になっている。田儀-小田-江南の運休区間の代替バスと、田儀駅(多伎町口田儀)や江南駅(湖陵町三部)での列車の接続が良くないのが一因。8月末にかけて出雲市内で始業が本格化するだけに、早急な対応が必要だ。 (松本直也)
大田市から通う生徒は田儀駅で列車を降りて代替バスを乗り継ぎ、江南駅で再び列車に乗る。
朝の始業に間に合わないのは、波根駅(大田市波根町)以西から通う生徒。出雲市駅に向かう浜田発の始発列車に乗ると、代替バスに乗り換える田儀駅に午前7時18分に到着。7時半発の田儀発のバスに乗り、江南駅から列車に乗ると出雲市駅到着は8時49分になる。
2学期が始まった出雲高校(出雲市今市町)では朝礼が午前8時半で、約20人が間に合わない可能性がある。遅刻扱いにはしないが伊藤尚史教頭は「学校に間に合うダイヤにしてほしい」と要望する。
出雲市内で、平田高校を除く県立高校5校によると同様の生徒が計60人いるという。
出雲西(下古志町)、出雲北陵(西林木町)の私立高校でも大田市内から通学している生徒がおり、影響は拡大する見込み。
大田市内から出雲北陵高校に通っている3年の男子生徒(18)は、部活動のため代替バスを利用。「始業には間に合わないと思うので大変だ。いつまで続くか分からない」と話す。
逆に、出雲市から通う生徒がいる大田高校(大田市大田町)では、始業に間に合うために、出雲市駅を従来より1時間早い午前5時台に出発する列車に乗る必要がある。坂井樹史教頭は「夜遅く、朝が早くなれば生活リズムが崩れてしまう」と懸念。従来の列車で登校しても通常の出席扱いとする。
島根県教育委員会は問題を把握しており、関係の県立高校に影響人数などを照会している。学校企画課の黒光秀尊・管理支援グループリーダーは「時間をかけず対応したい」と話し、輸送手段の検討や、JR西との協議などを想定。JR側もダイヤ見直しを検討する考え。