5千人目の武田万希子さん(左から4人目)らを歓迎する関係者=出雲市斐川町神庭、荒神谷博物館
5千人目の武田万希子さん(左から4人目)らを歓迎する関係者=出雲市斐川町神庭、荒神谷博物館

 荒神谷博物館(出雲市斐川町神庭)が4月に始めた企画展「里帰り! 国宝青銅器~埋納の地へ~」の入館者が14日、5千人を超えた。年間入館者数1万人未満の同館では異例の盛況ぶりで、学芸員は大喜びしている。

 同館の入館者数は23年度約5200人、24年度約8100人と16年度以降は1万人未満で推移している。4カ月余りで5千人を達成するのは異例だ。

 企画展は、1984~85年に荒神谷遺跡で出土した青銅器を荒神谷の地で初めて長期展示。全て国宝の銅剣3本、銅矛2本、銅鐸(どうたく)1個を鑑賞できる。全国から歴史ファンや旅行客が足を運び、約2カ月に1度の展示替えのたびに訪れるリピーターがいるという。

 この日、藤岡大拙館長が愛知県小牧市から家族4人で訪れた武田万希子さんに図録や青銅器アンブレラなどの記念品を贈った。柏谷実加学芸主任は「小さな博物館の強みを生かし、来館者や展示との距離の近さを大切にして今後も魅力を発信したい」と喜んだ。展示は来年1月12日まで。

 (今井菜月)