一見して面白いわけではない。約50センチの距離で2人が向き合い、1人が左右、1人が上下に手を開いて、ぶつからないように交互に拍手をする。「餅つき」は、ただそれだけのワーク(身体活動)だ。言葉は使わない。

 だが、拍手のテンポや方向を「あうんの呼吸」で変えるうち、場の空気が活気づく。約1分で相手を替える頃には、どちらも充実の笑顔だった。

 6月下旬、大阪市のビルの一室に教員や企業の研修担当者ら初対面の16人が集まった。演劇と遊びの要素を取り入れ、コミュニケーション力...