三重県で今秋開催予定の国民体育大会と全国障害者スポーツ大会の中止が25日、決まった。三重を含む各地で新型コロナウイルス感染が拡大している状況を受け、県と文部科学省、日本スポーツ協会、日本障がい者スポーツ協会が同日、オンラインで協議して判断した。三重県は延期開催するかどうか、今後実行委員会総会を開いて判断する。
昨年の鹿児島国体も新型コロナの影響で年内開催が見送られたため、2年連続の中止となる。障害者スポーツ大会は、2019年の茨城大会が台風の影響で中止になったため、3年連続。出場選手は各都道府県で決まりつつあり、練習の成果を発揮する機会が失われる選手や競技団体への影響は大きそうだ。
三重が延期を要望する場合は、日本スポ協が昨年12月に定めたルールに基づき、22年栃木、23年鹿児島、24年佐賀、25年滋賀、26年青森の後の27年開催となる見通し。
従来、27年以降は宮崎、長野、群馬、島根、奈良の各県で実施予定だったがそれぞれ1年順送りされる。
30年に開催予定(国民スポーツ大会に名称変更)の島根県スポーツ振興課の小村淳二課長は「三重県が完全にやめてしまうのか、延期した上で実施するのか、まだ意思決定していない状況。今後の動向を注視していく」と話した。33年に予定する鳥取県スポーツ課の明場達朗課長は「1年延びる可能性はある」とみて、状況によって対応を検討するとした。
三重県の鈴木英敬知事は「両大会に向け準備してきた選手に大変申し訳ない」と県庁で記者団に述べた。中止で打撃を受ける宿泊施設やバス事業者へ財政支援する考えも示した。一度盛り上げた機運を維持できるかどうかが課題となる。
三重国体の会期は9月25日~10月5日、障害者スポーツ大会は10月23~25日。会期前の9月4日から国体の水泳、体操、レスリング、柔道が始まる予定で、一律無観客での開催を決めていた。
中止は感染拡大を受けて三重県が申し出た。政府は25日、緊急事態宣言の対象地域に三重県を追加した。