法務省は6月、神奈川県座間市9人殺害事件で、強盗強制性交殺人などの罪に問われ死刑が確定した白石隆浩死刑囚(34)の刑を執行した。執行は2022年7月以来で、2年11カ月の間隔は、法務省が執行の公表を始めた1998年以降で最長。モラトリアム到来との見方もあったほどの長期空白が生じたのは、元法相の失言や、元死刑囚の袴田巌さんの再審無罪などが背景にあるとされる。国際的には廃止の潮流もある中、世論調査では国民の8割が制度を容認する日本。制度を維持する存置国として死刑の在り方は―。
死刑囚と対話を重ねてきたスペイン人神父、13人の幹部が死刑となったオウム真理教事件の被害者遺族、執行が行われる刑事施設を所管する法務省矯正局の元トップに見解を聞いた。(...