智弁和歌山―石見智翠館 9回裏石見智翠館2死二塁、山崎琢が右翼線に適時二塁打を放つ。投手武元、捕手渡部=甲子園
智弁和歌山―石見智翠館 9回裏石見智翠館2死二塁、山崎琢が右翼線に適時二塁打を放つ。投手武元、捕手渡部=甲子園
智弁和歌山戦に先発した石見智翠館・山崎琢=甲子園
智弁和歌山戦に先発した石見智翠館・山崎琢=甲子園
9回裏石見智翠館2死二塁、山崎琢が右翼線に適時二塁打を放つ。捕手渡部=甲子園
9回裏石見智翠館2死二塁、山崎琢が右翼線に適時二塁打を放つ。捕手渡部=甲子園
4回表、智弁和歌山に追加点を許し、山本由(奥)にマウンドを譲る石見智翠館・山崎琢=甲子園
4回表、智弁和歌山に追加点を許し、山本由(奥)にマウンドを譲る石見智翠館・山崎琢=甲子園
9回裏石見智翠館2死二塁、山崎琢磨の右線の適時二塁打で1点返し喜ぶベンチ=甲子園球場
9回裏石見智翠館2死二塁、山崎琢磨の右線の適時二塁打で1点返し喜ぶベンチ=甲子園球場
7回表、マウンドに集まる石見智翠館ナイン=甲子園
7回表、マウンドに集まる石見智翠館ナイン=甲子園
試合が終わりベンチ前に整列する石見智翠館ナイン=甲子園球場
試合が終わりベンチ前に整列する石見智翠館ナイン=甲子園球場
智弁和歌山―石見智翠館 9回裏石見智翠館2死二塁、山崎琢が右翼線に適時二塁打を放つ。投手武元、捕手渡部=甲子園
智弁和歌山戦に先発した石見智翠館・山崎琢=甲子園
9回裏石見智翠館2死二塁、山崎琢が右翼線に適時二塁打を放つ。捕手渡部=甲子園
4回表、智弁和歌山に追加点を許し、山本由(奥)にマウンドを譲る石見智翠館・山崎琢=甲子園
9回裏石見智翠館2死二塁、山崎琢磨の右線の適時二塁打で1点返し喜ぶベンチ=甲子園球場
7回表、マウンドに集まる石見智翠館ナイン=甲子園
試合が終わりベンチ前に整列する石見智翠館ナイン=甲子園球場

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【評】石見智翠館は序盤から失点を重ね、打線も相手3投手の前に毎回の14三振を喫して完敗した。

 先発の山崎琢は立ち上がりに制球が安定しないところを攻められ、二回までに本塁打などで2失点。四回途中から登板した山本由も犠打を絡めたそつのない攻撃を止められなかった。

 七回途中から救援した3番手の豊岡が犠飛で1点を失ったものの、八、九回を抑える力投を見せた。

 打線は、切れのある速球を武器に制球良く投げ込む相手投手陣を崩せず、八回まで散発3安打。先頭打者が出塁できず、好機を広げられなかった。

 九回は、1死から死球で出塁した宮本が盗塁を決めた後、2死二塁で山崎琢が右翼線へ適時二塁打。最後に1点を返すのがやっとだった。

<監督・選手ひとこと>
 末光章朗監督 選手は指示する前から自分たちで動けるようになり、成長を感じた。甲子園で3試合もさせてもらい、子どもたちに感謝したい。

 山崎凌夢主将(3年)自分たちの野球をさせてもらえず悔しい。最終回に粘って1点を取ることができたのは良かった。甲子園で勝ち上がるには先制点を与えないことだと思う。

 上翔曳捕手(2年)4番としていいスイングができず悔しいが、甲子園で3試合もさせてもらい、いい経験ができた。来年はベスト8以上を目指す。

 山本由吾投手(2年)相手打者はスイングが速く、制球が悪くなるといいバッティングをしてきた。来年に向けて、まずコントロールを磨きたい。

 ▽準々決勝
智弁和歌山(和歌山)
 110 203 200─9
 000 000 001─1
石見智翠館(島根)
▽本塁打 高嶋1号(1)(山崎琢)
▽二塁打 徳丸、大仲、山崎琢▽犠打 大仲、角井、徳丸、岡西、渡部、塩路、大西▽盗塁 宮坂(1)大仲(1)宮本(1)▽失策 関山、山崎凌▽暴投 高橋
▽試合時間 2時間10分

■エース山崎琢 意地の一打
 攻守で圧倒された。2003年以来、18年ぶりの4強を目指した石見智翠館は、甲子園常連の智弁和歌山に屈した。9失点し、持ち味の積極的な攻撃を展開する場面をつくり出せなかった。末光章朗監督は「自分たちの野球ができなかった」と力負けを認めた。

 先発山崎琢磨は2、3回戦に続き初回に失点し、二回は本塁打を浴びた。5点目をスクイズで奪うなど、7犠打を絡めたそつのない攻撃で点差を広げられた。「相手の攻撃に押され、のまれてしまった」と山崎凌夢主将。今大会無失策だった守備も序盤で2失策と乱れた。

 攻撃では初戦で本塁打を放った宮本赳希を3番、山崎琢を5番に置くなど打線を組み替えたが、相手投手陣の切れのある速球と変化球に苦戦。宮本が「ボール球の変化球に手を出してしまった」と話すように1~4番が11三振で、攻略の糸口を見いだせなかった。

 一方的な展開の中で終盤、石見智翠館らしさを見せた。3番手で登板した豊岡慶人が抑えると、九回は1死から宮本が6球ファウルで粘って死球で出塁し、二盗に成功。2死となった後、投打でチームを引っ張ってきた山崎琢が「まだ終わらせない」と左打席へ。内角の直球を詰まりながらも振り抜き、右翼線二塁打で意地の1点を奪った。

 強豪に大敗したが、甲子園で2勝し、島根県勢としても12年ぶりの8強入り。「甲子園で試合ができたことは幸せだった」と山崎凌主将。コロナ禍で甲子園を目指すことさえできなかった先輩の思いを胸に、確かな足跡を残した。 (原暁)