アジア最大規模の映画祭「第30回釜山国際映画祭」で19日、<オンスクリーン部門>に正式招待されたNetflixシリーズ『匿名の恋人たち』の第1話&第2話が世界初披露された。主演の小栗旬、ハン・ヒョジュ、月川翔監督が登壇し、両主演がそろって公の場に登場するのは今回が初めてとあって、約300人の観客が詰めかけた会場は熱気に包まれた。
【動画】Netflixシリーズ『匿名の恋人たち』予告映像
本作は、人に触れられない秘密を抱える壮亮(小栗)と、人の目を見られない悩みを抱えるハナ(ハン・ヒョジュ)が出会い、互いにひかれ合う“大人のロマンティックコメディ”。
同映画祭初参加となった小栗は「こんにちは!この作品で釜山国際映画祭に参加できてうれしいです!皆さん、サランヘヨ!(愛しています)」と、ヒョジュに助けてもらいながら韓国語であいさつ。会場には「初恋は小栗旬でした」と書いたボードを掲げるファンもいて、韓国での高い人気を裏付けた。一方のヒョジュは白シャツにデニムというシンプルな装いながら、その存在感で観客のため息を誘い、上映直後の温かな雰囲気のなかで質疑応答が行われた。
ヒロイン・ハナの役作りについてヒョジュは「“視線恐怖症”というと重い悩みに捉えられてしまうかもしれませんが、実は誰もが少しずつ持っているものだと思います。私自身のケースでは、長年俳優活動をしていますが、役を演じているときよりもハン・ヒョジュとして人前に立つときの方が緊張します。そのような時に逃げ出したい瞬間がたくさんあるのですが、その気持ちをハナが抱える悩みに投影することで、役を作っていきました」と語った。
ある理由から人と握手さえ交わせなくなってしまった潔癖症の壮亮を演じるにあたり、「壮亮が温泉に入るシーンがありますが、壮亮は(他人が入った可能性がある)温泉に入れるのか、入れないのか。撮影現場でも真剣な議論を交わしました」と、細部まで検証し、丁寧に人物像を形作ったと振り返った。
撮影現場では、ヒョジュが大半を日本語で演じるため、監督や日本語指導とともに小栗も協力。ヒョジュは「母国語の2倍3倍のエネルギーを使った」と振り返り、小栗も「本当にすごく頑張ってくれたヒョジュの存在が大きかった」と称賛した。
また、小栗は美術設計を手掛けたイ・ハジュン氏(『パラサイト 半地下の家族』参加)の膨大なコンセプトシートに驚嘆したという。「クランクインの前に見せてもらいました。そこに作品の世界観や自分の役についても彼のイメージが詳しく書かれており、そのおかげで作品への理解がとても深まりました。初めての体験でした」と語り、本作のスケールの大きさを実感したという。
上映後の観客からは「正直なところ日韓ドラマに対して少し不安な部分もあったのですが、そんなこと思っていたのが申し訳ないほど内容がとても面白かったです!そして小栗旬さんはやはりロマンティックコメディがとてもお上手で、演技が素敵で魅力ある方だと改めて思いました!2時間が本当にあっという間に過ぎていきました!」、「ハン・ヒョジュさんの演技が繊細で、お2人とも細かいディテールまで表現されていて胸が温かくなる話でした。当然続きを観ます!友達にも勧めます!」「続きが本当に気になります!配信がずっと先じゃないですか!今の感情で早く観たいのに!!」と熱のこもった感想が相次ぎ、日韓合作ドラマへの期待が一層高まった。
イベントの最後には、共演者の米本学仁とみょんふぁ(第2話に夫婦役で登場)がサプライズ登壇し、フォトセッションに参加。会場は和やかな笑顔に包まれ、プレミアイベントは盛況のうちに幕を閉じた。
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