鳥取市立小学校のジャングルジムから落下し大けがを負ったのは事故防止策が講じられていなかったためだとして、児童側が市に対し約83万円の損害賠償を求めた訴訟は30日、鳥取地裁(大野祐輔裁判官)で和解が成立した。市が児童側に和解金40万円を支払う。

 市教育委員会によると、法廷で証言を求められることが児童にとって負担となるため、和解したという。

 市教委学校教育課の安本雅紀課長は「司法の判断を受け入れ、丁寧に対応したい」と述べた。今後、低学年を中心に休憩時間中の遊びについて注意喚起し、遊具の安全点検を徹底する。

 児童側代理人の弁護士によると、児童の両親は「市の責任が一定程度認められた。再発防止に取り組んでほしい」とコメントした。

 訴状によると、児童は2019年5月、休憩時間中に鬼ごっこをしていたところ、滑り台付きのジャングルジムで他の児童と接触し、高さ約2・2メートルから転落。頭の骨を折るなどの大けがを負った。ジャングルジムでの鬼ごっこは危険だと知りながら、監視職員を置くなどの対策を取らず、注意義務違反があると主張。21年4月に鳥取地裁に提訴した。 (岸本久瑠人)