〈砂のなかに背をめりこませし仰向けの兵の屍が月を見てゐる〉 〈夜もすがら肉体離るるたましひの叫び聞こゆる野より森より〉。歌人の桃原邑子(1912~99年)は沖縄戦の歌を数多く残した。命を落とした人々の魂の声に耳を澄ませ、生...