農林水産省は31日、2021年産コメの8月15日時点の全国の作柄概況を発表した。6月下旬から7月上旬の日照不足や8月の豪雨などの影響で、西日本を中心とする20都府県を「やや不良」と見込んだ。米どころはおおむね天候に恵まれ、秋田や福島、新潟など20府県を「平年並み」、北海道や岩手など5道県は「やや良」とした。「良」は青森県だけだった。山陰両県は島根が「平年並み」、鳥取が「やや不良」だった。
既に収穫が始まったり、終えたりしている5県の早期栽培については平年を100として予想収穫量を示す作況指数を公表。徳島と高知、沖縄が99、宮崎と鹿児島が101だった。
21年産の主食用米では、長期的な消費減少に新型コロナウイルス禍による外食需要の落ち込みが加わり、豊作になれば供給過剰が懸念されている。今回の結果は平年並みに近い水準が多数を占めたが「今後の天候次第では変化する可能性がある」(農水省担当者)としている。
農水省は作柄の良否を気象データなどを活用して予測。評価は上から良、やや良、平年並み、やや不良、不良の5段階ある。早期栽培の作況指数は実測調査の結果をまとめて出す。農水省は10月上旬に、9月25日時点の収量を予想して数値化した全国の作況指数を公表する。