長崎市に隣接し、大村湾を望む長崎県長与町。人口約3万9千人、ミカンが特産の自然豊かな町は、新たな出会いにあふれ、あちこちで日々小さな「奇跡」が起きている。人々をつなぐのは、町で高齢者や障害者向けの事業を手がける社会福祉法人「ながよ光彩会」だ。

 町の玄関口だが、午後は駅員が不在となるJRの駅では、就労支援事業の一環としてカフェをオープン。人気の観光列車「ふたつ星4047」が停車すると、地域の子どもたちも加わって、にぎやかにもてなす。

 ながよ光彩会理事長の貞松徹さん(47)はこう話す。

 「正しさって一つじゃない」

 一人一人の「得意」を生かし、夢を実現させる人々の姿を追った。(共同通信=藤田康文)

 ▽エプロン姿の“駅員”

 JR長与...