3年に1度行われる夏の参院選を間近に控えた今年6月、東京都内では熱い選挙戦が一足早く繰り広げられていた。4年に1度の東京都議選だ。

 渋谷区選挙区(定数2)に出馬した一人が、都民ファーストの会の現職都議、龍円愛梨さん(48)。ダウン症に伴う知的障害がある小学生の一人息子を独りで育てながら、3回目の当選を目指して選挙に臨んでいた。

 しかし、今回の出馬は、必ずしもすんなり決まったわけではなかったという。取材をすると、女性議員がまだまだ少数派であるがゆえに、育児との両立に課題がある政治の世界の厳しい現実と同時に、変化の兆しも見えてきた。(共同通信=池田知世)

 ▽選挙準備の準備

 「出るのか出ないのか、非常に悩んだんです」。龍円さんは打ち明ける。

 21番目の染色体を一本多く持って生まれた息子の呼び名はニコちゃん(12)...