第八章・寛永の危機(7)

 

「本気でおおせとはとても思えぬ。千姫さまは母上より二つ年上なのだぞ」

 利常は気持ちの収まりがつかないまま書院にもどり、本多政重(まさしげ)を呼んでこの件につ...