松江署は14日、松江市内の60代女性が警察官をかたるおれおれ詐欺で、3660万円をだまし取られる特殊詐欺被害に遭ったと発表した。

 同署によると8月9日、女性宅の固定電話に大手運送会社のカスタマーセンターを名乗る人物が「あなたの住所氏名で発送依頼があった荷物に現金が入っていた」「個人情報が悪用されているかもしれない。緊急通報ダイヤルで警察につなぐ」と伝えた。

 女性は、北海道警の佐藤を名乗る男に「広域詐欺事件の主犯を逮捕した。押収品にあなた名義の口座があった」「口座は特殊詐欺事件に使われている。あなたは事件の重要参考人で容疑者だ」と言われた。LINE(ライン)で警察手帳の画像を見せられ、佐藤が本物の警察官だと信じた。

 検事を名乗る人物から「資金調査に協力してもらう。指定口座にお金を振り込んでほしい。調査後に返金する」と言われた。

 女性は8月25日から9月10日まで6回にわたり、相手が指定する口座に計3660万円を振り込んだ。

 10月10日に資金調査が終わると聞かされていた女性が、時期を過ぎても返金されないことを不審に思い、同月21日に松江署に相談し、詐欺だと発覚した。