プログラミングに挑戦する女子学生=松江市朝日町、松江オープンソースラボ
プログラミングに挑戦する女子学生=松江市朝日町、松江オープンソースラボ

 島根県内のIT企業に女性エンジニアを増やそうと、情報系以外の女子学生を対象としたインターンシップ(就業体験)プログラムが6日、松江市内で始まった。業界の人材不足解消と同時に、若年女性の県外流出に歯止めをかける狙いで、市が初めて企画。地元から計17人が参加し、職種や企業への理解を深める。

 「まつえIT女子インターンシップ・プログラム」は5日間の日程で、基礎を学ぶ合同講習のほか、希望するIT企業での現場研修や座談会、最終日にはチームで開発したシステムを発表する。

 2回に分け、初回グループは島根大と県立大の9人が参加した。初日はRubyを簡略化したスモウルビーを使い、ゲーム作りに挑戦。島根大総合理工学部3年の本間夕貴さんは「面白かった。もっとやってみたい」と意欲を見せた。

 県情報産業協会の2020年調査によると、県内IT企業83社のうち約6割が人材不足を訴えた。男性のエンジニアが圧倒的に多い状況で、システム開発とIT人材育成のパソナテック島根Lab(松江市朝日町)の角田徹エンジニアマネジャーは「誰にでも使いやすいソフトウエアを作るには男性だけでなく、女性の力が必要とされている」と指摘する。

 女子学生に地元IT企業を就職の選択肢としてもらうことで、地元定着やUIターンの呼び込みにもつなげる考え。市定住企業立地推進課の土江健二副主任は「山陽や近畿など県外在住の女子学生にも対象を広げたい」と話した。市は今後、就職人数の目標設定などを検討する。  (今井菜月)