今年は、韓国で「歴代最高の名作」と大絶賛を受けた『おつかれさま』など、前評判の高かった期待作が大ヒットを記録した一方で、前評判や期待以上の内容で「面白い!」と視聴者を魅了し、ヒットを記録する“嬉しいサプライズ”も。これだから韓ドラオタはやめられんのですよね~。蓋を開けてみるまでわからない!そこで本記事では、期待を上回る面白さで韓ドラ沼民を虜にした2025年の傑作韓国ドラマ『暴君のシェフ』『ウンジュンとサンヨン』『ダイナマイト・キス』(すべてNetflixで配信中)の3作をご紹介します!
【動画】チャン・ギヨンの可愛さに沼…『ダイナマイト・キス』予告
■『暴君のシェフ』
鉄板ネタとはいえ、最近さすがに多すぎるタイムスリップもの、さらに主演俳優交代のバタバタもあり、放送前は期待よりもどちらかと言うと懸念の声があがっていた本作。ですが蓋を開けてみればこれが大当たり!2025年ミニシリーズ最高視聴率を記録し、今年を代表する大ヒット作となりました。
1話観た段階では面白そう~くらいの感じだったのに、2話で確信しました、「コレは久々にヒットするぞ」と。韓ドラ特有の"ぶっ飛び設定"なのに、序盤からどっぷり没入させてくれるこのワクワク感、さすがは『星から来たあなた』の監督作です!
本作は、現代の天才フレンチシェフ、ヨン・ジヨン(イム・ユナ)が500年前の朝鮮王朝にタイムスリップし、「口に合わなければ極刑」と恐れられる、絶対味覚を持つ暴君イ・ホン(イ・チェミン)の厳しい舌を満足させるために奮闘するファンタジーラブコメ史劇。
ジヨンの現代っ子マインドとイ・ホンの時代錯誤な王様っぷりが、会話の中で絶妙にズレていたり、ジヨンが朝鮮時代に適応していくさまざまなカルチャーショックがコミカルに描かれていたりして、随所でクスッと笑ってしまいます。
で、面白いのが、このイ・ホンは「朝鮮王朝最悪の暴君」として歴史に名を残している朝鮮王朝第10代国王の燕山君(ヨンサングン)をモデルにしていると言われているんです。そんな暴君が、本作では“美食家”としての側面や、人間味を加えた架空のキャラクターとして描かれているのもまた新鮮です。
さらに燕山君の側室で「朝鮮王朝三大悪女」の一人、チャン・ノクスがモデルになっているとされるカン・モクジュ(カン・ハンナ)が登場したりと、フュージョンながらもしっかりと史劇的側面も楽しめるようになっているのが凄いなぁと。現代から来たジヨンと共に、「うわ!あの悪女か…!」と歴史の中に入り込んだ感覚になれるのが面白いんですよね。
道具も何もない中で、現代の調理法を駆使して宮廷料理に革命を起こしたり(空腹注意)、宮廷の権力争いや陰謀が物語にスリルをプラスしていたりと、色んなスパイスが入っていて、ラストまで飽きずに駆け抜けてしまいます。
そしてキャストですよ。ユナの強強女子っぷりが最高オブ最高でして…。「マジで朝鮮時代!?ファンタジー小説じゃねーんだから!」ってパニックになっても、サクッと切り替えるポジティブさ、これ韓ドラオタが大好きなヒロイン像ですよね…?ユナの生き生きした演技で、ジヨンの現代っ子らしいサバサバ感がバッチリ出てて、笑いと共感を誘います。
そしてですよ。暴君ヨンヒ君イ・ホンを演じるイ・チェミンは、主演俳優交代による世間の懸念を演技で跳ね返し、本作で一躍"次世代スター"の座へ駆け上りました。いやぁ~イ・チェミンのチョーナ~(王様)本当にハマり役でしたよね。史劇初とは思えないくらいのどハマりっぷりで、次回は本格史劇でも観てみたい!と思わされるほど。これだから韓ドラってやめられないんですよね~思わぬところから大スターが突然誕生したりする。
一見コワモテで凛々しい暴君ながらも、ジヨンの料理に心揺さぶられたり、意外と子供っぽい一面を見せたりするギャップが沼すぎやしませんか…??ジヨンが料理を説明する際、オートキュイジーヌのことを「オットカジ…?(韓国語でどうしようの意味)」と言ったり、所々ボケ散らかしてるのも愛おしい…!毎度のお料理の食レポ(?)と顔芸も最高で、爆笑をかっさらっていくのに、たまに見せる男らしさと真っ直ぐな瞳に心撃ち抜かれた人、絶対に多いはず…!
そしてタイムスリップもので数々のトラウマを背負っている(笑)我々韓ドラオタクとしては、ラストのラストまで超絶完璧にまとめてくれたのも最高…!やはりラブコメってこうじゃないと!と改めて思わされる一作でした。笑ってキュンとして沼ってお腹が空いてくる、王道ラブコメ求む!な人に超絶おすすめしたい一作です。
▼配信情報
Netflixシリーズ『暴君のシェフ』独占配信中
■『ウンジュンとサンヨン』
韓国のドラマレビュアーたちの口コミを見ている限り、2025年『おつかれさま』と並んで韓国で一番高い評価を受けたのは、本作ではないかなぁと思います。重めのヒューマンドラマって、ラストまで見ればメッセージ性もあるし、心に響くのは分かるんですけど、視聴まで腰が重いというか、ある種の覚悟と気合いがいりませんか…?筆者も観る前はそんな感じで、ヒューマンが続いていたのもあって、いい作品なのは重々分かってるのに、なぜか気が進まなかったんです(公共の場でド本音)。
でも!でもですよ!1話観て、2話観て、イメージだけで誤解していたことに気づきました。ストーリーが単純にめちゃくちゃ面白いんです…!物語の吸引力が半端なさすぎて、結局2話から止まらなくなり、3日もかからず駆け抜けてしまいました。
ということで本題。どんな話かといいますと、貧しい母子家庭で育ったウンジュン(キム・ゴウン)と、裕福で才能豊かなサンヨン(パク・ジヒョン)の、10代から40代までの友情と人生の軌跡を描いたヒューマンドラマ。
40代になったサンヨンが末期がんを告白し、ウンジュンにスイスのチューリッヒで安楽死する同行を頼むところから、2人の過去を振り返る旅が始まります。小学校で出会った2人は、互いに「自分にないもの」を相手に感じ、憧れと嫉妬が入り混じった複雑な感情を抱きつつも、別れと再会を繰り返しながら「かけがえのない親友」になっていきます。
そして、大学編で登場するサンハク(キム・ゴヌ)先輩が物語のキー。ウンジュンとサンヨンの両方が惹かれる先輩との関係が、友情の「試練」として登場します。この三角関係が、まぁ正直しつこめなんですが(笑)、どうなるんや~!?と続きが気になって仕方ないんです。まるで青春恋愛ドラマのような前半ですが、ラストまでブレずに“ウンジュンとサンヨン”の人生を描き切っているのが本作のすごいところ。
ウンジュンは明るく芯が強いけれど劣等感を抱きやすく、サンヨンは完璧に見えて孤独。互いが大好きなのに「羨ましさ」が嫉妬を生み、友情を複雑に歪めていく過程がリアルで。誰もがきっと一度は経験したことがある感情に、少し懐かしさを覚えながら共感して、あらゆる感情を揺さぶられてしまうんです。後半はもう涙なしには見れず、久しぶりにわんわん子供みたいに泣いてしまいました。
そしてこの作品のもうひとつの見どころは、やはりキム・ゴウンとパク・ジヒョン、2025年を代表すると言っても過言ではない極上の演技合戦!キム・ゴウン様の、言葉を発しないシーンで感情がドバドバ溢れていく“沈黙での爆発力”の凄まじさたるや…。サンヨンの行動に悩まされながらも、彼女を理解しようとする複雑な感情を抜群の演技力で表現しています。
そして今作はやはりパク・ジヒョンですよ。実生活でもキム・ゴウンを尊敬する彼女のマインドが反映され、嫉妬と劣等感でいっぱいになるサンヨンを完璧に表現。これは間違いなく、彼女の人生作となるはず…!来年の百想では、2人揃ってのノミネートは間違いないのでは…?と思います。
決してお涙頂戴系のTHE韓ドラって感じではなく、丁寧に繊細に2人の女性の感情と人生を描ききった名作!きっと韓ドラ通こそ、これは刺さりまくるはず…!
▼配信情報
Netflixシリーズ『ウンジュンとサンヨン』独占配信中
■『ダイナマイト・キス』
今年は『暴君のシェフ』しかり、『私と結婚してくれますか?』しかり、王道ラブコメが割と息を吹き返してきてる感があったのですが、最後の最後にまたラブコメ好きのテンションをぶち上げてくれる楽しすぎるラブコメがきてくれました。
始まる前はSBSが『私と結婚してくれますか?』に続いてのラブコメだったのもあって、そんなに注目度は高くなかったんですが、蓋を開けてみたら1話からスピーディーな展開に中毒者が続出!日本でもNetflixで連日TOP10入りを果たしている、今ホットな話題作です。
就職浪人中で、毎日を必死の思いで生きているゴ・ダリム(アン・ウンジン)は、生活費のために“子持ち既婚者”を偽装して育児用品会社「ナチュラルベベ」に入社。そこに現れた本部長コ・ジヒョク(チャン・ギヨン)は、済州島である事情から“偽カップル”を演じ、熱いキスを交わして音信不通になった相手。彼はこの会社の御曹司で、ダリムの直属の上司だった…!(もうすでに面白い。笑)
ダリムの嘘が次々と誤解を生み、偽装夫(BTSジンくんにそっくりともっぱら話題のキム・ムジュン)の登場でジヒョクの嫉妬が加速したり…と、タイトル通りダイナマイト級の爆笑&ハラハラの勘違いラブが進行していきます。
おいおい、1話でそこまでいっていいんか?!このあと大丈夫なんか?!と心配になるくらいスピーディーすぎて(笑)。ほんと、引き込まれるというより一気に物語に巻き込まれるみたいな感じで(?)、ドタバタしながらも、それがまたラブコメらしくてたまらんのです…!
アン・ウンジン演じるヒロインのダリムが、貧乏で苦労人ながらも、卑屈にならずに前向きに苦境を乗り越えていったり、仕事も懸命に頑張っていたりと、共感ポイントが多く、成長物語として面白いのもポイントです。
そして何より、チャン・ギヨン演じるジヒョクが 高身長・イケメン・財閥2世・ブラックカード持ちのザ完璧男子なのに、ダリム絡みで誤解の連鎖が止まらず、ドタバタと空回り全開してるの、最高すぎませんか…?「既婚者」と思い込んでの嫉妬爆発や、やたらとドジなリアクションがギャップ萌えの極み!
しかも、あんなにイケ散らかしてるのに、超絶ピュアなのも鬼キュンポイント。1話の偽装ダイナマイト・キスで恋しちゃって"キスおかわり"した時点で心臓やられてしまった人も多いはず!チャン・ギヨンの百面相演技が、この可愛さを倍増させていて、これは沼入り視聴者爆増しそう…!
1話みたらあまりの面白さに、最新話までイッキ見してしまうこと間違いなし!ラブコメ好きも、初心者さんも、玄人さんも、誰もが楽しめる今最もHOTな一作です。
▼配信情報
Netflixシリーズ『ダイナマイト・キス』独占配信中
(文:DramaWriter Nana)
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