井手康人さんの「百花為誰開」(左)などが並ぶ新館=安来市古川町、足立美術館
井手康人さんの「百花為誰開」(左)などが並ぶ新館=安来市古川町、足立美術館

 【安来】優秀な日本画に贈られる足立美術館賞の歴代受賞作を一堂に集めた企画展「足立美術館賞の画家たち」が7日、安来市古川町の足立美術館新館で始まった。現代日本画の歩みの一端を伝える36点を展示し、来館者が熱心に鑑賞している。10月6日まで。

 再興院展の優秀作から選ぶ「足立美術館賞」の受賞作25点、春の院展の優秀作が対象の「春の足立美術館賞」に輝いた11点を披露。両賞とも日本美術の発展と将来性ある日本画家の育成を目的に創設し、毎年1点ずつ選んでいる。

 新館には、赤い花々に囲まれて凜(りん)と立つ白い衣装の女性が印象的な井手康人さんの作品「百花(ひゃっか)為誰(たがために)開(ひらく)」をはじめ、髪飾りを着けた女性を幻想的に描いた染谷香理さん=島根県出身=の「月ノ雫(しずく)」、国引き神話をモチーフにした川〓(崎の大が立の下の横棒なし)麻央さん=同=の「国来(くにこ)、国来」などの力作が並ぶ。

 織奥かおり主任学芸員は「足立美術館の現代日本画コレクションの礎ともいえる作品ばかり。この機会に多くの方に楽しんでいただきたい」と話した。

 会期中無休。有料。本館で開催中の横山大観の代表作「紅葉」などが並ぶ秋季特別展も鑑賞できる。 (渡部豪)