そこかしこに折り重なる老若男女の亡きがらは、どれもむごたらしかった。真っ白になるほどウジだらけだったり、腐敗して真っ黒に変色し、膨れていたりした。太平洋戦争末期の沖縄戦で、玉木利枝子さん(91)は、激戦地となった本島南部を逃げ惑った。「今日が何月何日かも分からない」まま、戦場で隠れる場所と口に入れるものを探し続けているうちに、11歳の誕生日は過ぎた。
「神様、一気に死なせて」。日本は必ず勝つと信じ込んでいた少女が、戦場をさまよう中で願うようになったのは、痛くもつらくもない死。「戦争は、一度始まったら終えられない」。数え切れない、五体をとどめぬ死体の腐臭は今も鼻の奥に残...












