新型コロナウイルス後遺症の主な症状
新型コロナウイルス後遺症の主な症状
新型コロナウイルスの後遺症について説明する邦和病院の和田邦雄院長=8月、堺市
新型コロナウイルスの後遺症について説明する邦和病院の和田邦雄院長=8月、堺市
新型コロナウイルス後遺症の主な症状 新型コロナウイルスの後遺症について説明する邦和病院の和田邦雄院長=8月、堺市

 新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向になる中、倦怠(けんたい)感や頭痛などの後遺症に悩む人が後を絶たない。1年以上も長引き、休職を余儀なくされる人や10代で症状を訴える事例も。後遺症を扱う専門外来で診療に当たる大阪府の医療関係者は「働き盛りの世代に多い」と警鐘を鳴らしている。

 「後遺症がこんなに長引くなんて思っていなかった。日常生活も送れない」。大阪市生野区に住む40代の男性会社員が、窮状を打ち明ける。

 昨年11月に会社でクラスター(感染者集団)が発生し、自身も罹患(りかん)。心疾患があるため、集中治療室(ICU)で治療を受けた。熱やせきは治まって同月中旬には退院したものの、頭痛と胸の痛み、疲労感は引かないまま。「横になっていないと過ごしていられない」ほど症状に悩まされ、今も休職中だ。

 退院直後はどこに相談すればいいか分からず、医療機関でも明確な診断は得られなかった。インターネットで情報を調べる中、今年6月から府内の後遺症外来に通院し始めた。薬を服用すれば症状は落ち着くが、飲まなければ痛みはぶり返し、嗅覚も戻らずにいる。

 妻と子ども2人の4人暮らし。労災認定され、手当などで生活はやりくりできているが、職場復帰の見通しは立っていない。「働けず、走れないので外で子どもと遊ぶことすらできない。コロナは他の病気とは全然違う。これほど怖いものだったとは…」と語る。

 後遺症の長期化は厚生労働省研究班の調査結果にも表れている。慶応大の福永興壱教授(呼吸器内科学)が代表を務める研究班ではコロナの診断から6カ月後に246人から症状の有無について回答を得た。最も多かったのは倦怠感・疲労感(21%)で、息苦しさ(13%)、睡眠障害(11%)、思考力・集中力の低下(同)、脱毛(10%)、味覚障害(9%)、頭痛(同)などと続いた。

 4月から後遺症外来を開設し、200人以上の患者を診てきた邦和(ほうわ)病院(堺市)の和田邦雄院長は「後遺症は一つの症状ではなく、重なって起きることが多い」と説明する。患者の大半が自宅療養や宿泊療養を経験した人で、30~50代の働き盛りの世代が多いという。

 ただ、後遺症が起きる理由については未解明な部分が多く、漢方薬の投与など対症療法に限られる。和田院長によると、約8割の患者は1カ月など期間に個人差がありながらも良くなっていく一方、変わらない人も2割程度いる。中には1年以上症状が続き、離職する人もいるといい「後遺症は命に直結しないが、働きたくても働けなくなることもある。重症化リスクの低い若い世代でも、対策をしっかりして感染を予防してほしい」と訴える。