「茶運び人形」を手に講演する鈴木一義さん=島根県奥出雲町横田、雲州そろばん伝統産業会館
「茶運び人形」を手に講演する鈴木一義さん=島根県奥出雲町横田、雲州そろばん伝統産業会館

 【奥出雲】島根県奥出雲町横田でこのほど、国立科学博物館の名誉研究員を務める鈴木一義さん(69)が「たたら製鉄と江戸のSDGs」と題して講演し、町民など約100人に向け、たたら製鉄を後世へ引き継ぐ大切さを伝えた。

 同町が町制施行20周年と世界農業遺産認定を記念して開いた。

 鈴木さんは江戸時代の日本は鎖国による限られた資源の中で、豊かに生活できるようSDGs(持続可能な開発目標)を行っていたと説明した。その中で、奥出雲地域の農林畜産業について、「たたら製鉄」の砂鉄を採取する水路を再利用するなど持続可能な農林畜産システムになっていたと高く評価した。SDGsは現代社会の課題だが、奥出雲地域では、江戸時代から実践されていたことを示した。

 また、8代将軍・徳川吉宗の時代に芸能の分野が発展し、日本文化として今日まで根付いていることを説明した。「根底にある文化にも興味を持ってもらい、歴史のあるたたら製鉄を町民一丸となって世界へ発信してほしい」と力説した。

 江戸時代に栄えた文化の紹介もあり、鈴木さんがからくり人形の「茶運び人形」の実演を披露した。

 (景山達登)