復興相としてインタビューに答える竹下亘氏=2015年9月
復興相としてインタビューに答える竹下亘氏=2015年9月

 自民党の竹下亘(たけした・わたる)衆院議員=島根2区=が17日午後9時15分、食道がんのため、東京都内の自宅で死去した。雲南市掛合町出身、74歳。故・竹下登元首相の弟。竹下派(平成研究会)会長。通夜、葬儀は近親者のみで執り行う予定で、詳細は公表しない。後日、お別れの会が開かれる予定。 (原田准吏)

 2019年1月にがんを公表。療養後、11月に復帰したものの今春に再度体調を崩し、衆院選に出馬せず政界を引退する意向を7月に表明した。

 「田舎を守る」を信条とし、登氏が提唱した地方の活力を引き出す「ふるさと創生」を継承。高速道路などのインフラ整備や地方財政の充実などに尽力した。

 NHK記者を経て、1985年から登氏の秘書を務めた。政界引退、死去した登氏の地盤を継いだ2000年衆院選以降、17年まで7回連続で当選した。

 14年の第2次安倍改造内閣で復興相に就任。党では国会対策委員長、総務会長の要職を歴任した。国対では環太平洋連携協定(TPP)の承認案や関連法案など、与野党が激しく対立した法案成立の指揮を取った。

 18年4月からは登氏が旗揚げした「経世会」をルーツとする平成研究会の会長を務め、後進の育成に力を注いだ。

 島根2区の補欠選挙は行われず、次期衆院選に統合される。

 竹下事務所は21日、松江市内中原町の島根県政会館と出雲市矢野町、浜田市元浜町の各事務所に記帳所を設ける。