新型コロナウイルス感染症の自宅療養者を巡り、都道府県の保健所が把握する住所や氏名を市町村と共有し、支援につなげているのは7道県にとどまることが20日、共同通信の調査で分かった。市町村の大半は保健所を持たず、療養者の把握が難しい。国は支援充実のため連携を促すが、個人情報保護の観点から情報共有を懸念する声も上がっている。

  

 調査は9月7~16日に実施。体調確認や食料提供といった生活支援のため、自宅療養者の情報を市町村に提供しているか各都道府県に尋ねたところ、北海道、神奈川、富山、滋賀、兵庫、佐賀、鹿児島の7道県が「している」と答えた。

 厚生労働省は9月、生活支援のための情報提供は「緊急の必要がある」場合に当たり、都道府県の個人情報保護条例の例外になるとの判断を示した。千葉、東京、愛知は通知を受け、今後、情報共有を進めるという。

 市町村に伝達していない地域では、12府県が「個人情報保護条例に抵触する」と理由を説明。福岡県の担当者は「小さな町村では役場の職員は身近な存在。自分が陽性者だと知られるのを心配する住民もいる」と話す。

 ただこれらの地域が全て自宅療養者の支援をしていないわけではなく、保健所から療養者に市町村の支援窓口を伝え、自ら申し込んでもらう方式を採っている例もある。

 自宅療養者数が比較的少ない島根、鳥取両県など17県は「県や保健所で対応できており、市町村に伝える必要がない」と指摘。調査時点で、自宅療養の事例が生じていない県もあった。

 一方、自宅療養者が災害時に避難する際、感染拡大につながらないよう、避難所を設置する市町村に情報提供をしている、もしくは災害の恐れがある際に提供すると答えたのは島根など21府県。提供の際は、災害目的に限定するとの回答が多かった。

 提供していない自治体からは「検討中」といった回答のほか「災害時は、宿泊療養施設を避難場所にしてもらう」(鳥取)など、事前に自宅療養者の避難先を明確にしているケースもあった。