安来産オハグロスギで作った「クミノ」を手にする大谷俊行代表=安来市内
安来産オハグロスギで作った「クミノ」を手にする大谷俊行代表=安来市内
「クミノ」を使って遊ぶ園児=安来市安来町、城谷こども園
「クミノ」を使って遊ぶ園児=安来市安来町、城谷こども園
安来産オハグロスギで作った「クミノ」を手にする大谷俊行代表=安来市内 「クミノ」を使って遊ぶ園児=安来市安来町、城谷こども園

 安来市伯太町井尻の木工家具製作所「Ton-ton(トントン)」(大谷俊行代表)が、滋賀県の木製遊具工房と連携し、安来産の木材を使った独自形状の積み木の製造を始めた。積み木に溝が2カ所設けてあり、それを組み合わせて動物や乗り物など多彩な造形を楽しめるのが特長。地場産材の利用と木育の推進につながると期待する。 (渡部豪)

 商品名は「KUMINO(クミノ)」で、滋賀県東近江市のクミノ工房がブランド展開する国産材の積み木(縦と高さ各3センチ、横18センチ)。

 形状は1種類のみで、溝同士をかみ合わせて組むことで形状が安定し、飛行機や塔、トナカイといった多彩な立体作品を作ることができる。発想次第でカブトムシやクワガタ、機関車といった複雑な造形物も作れ、子どもの創造力を養うのに適しているという。

 クミノ工房は、地域の森林を身近に感じてもらい豊かな里山づくりの輪を広げようと、全国各地の木材でクミノを作る取り組みを進めており、木育インストラクターの資格を持つ大谷代表(38)もこれに呼応。安来産のスギやヒノキに加え、地元で「オハグロスギ」と呼ばれる赤黒い色をしたスギでクミノを製作することにした。

 安来産材のクミノは受注生産とし、1セット14本入りで販売する。価格はスギとヒノキが9900円、オハグロスギが1万1千円。製造スタートに合わせ、安来市内のこども園や子育て支援施設への寄贈も始めた。

 大谷代表は、県内でたたら製鉄に伴い棚田が造られ資源循環型の農業が発展した歴史を引き合いに「子どもたちが地場産材に親しみ、古里の森林や循環型林業に興味を持ってくれればうれしい」と話す。

 購入、問い合わせはトントン、電話0854(26)4599=平日のみ。