期間を指定
~

1,443件

家の玄関を開けると神楽の面と目が・・・「島根あるある」のルーツに迫る(Sデジオリジナル記事)

家の玄関を開けると、神楽のお面と目が合った-。島根県では日常的な光景だが、実は他県からみると珍しいらしい。石見地方を中心に県内では、玄関などに飾る「飾り面」を出産や新築のお祝いなどの際に贈ってきた。多くの家庭の玄関には、神楽に登場する般若や天狗のお面が掲げられている。なぜこのような風習が伝わっているのか調べてみた。(Sデジ編集部・林李奈) 飾り面って?  飾り面とは、実際には身に着けず、飾るために作られたお面のことだ。島根県の家の玄関には、石見神楽に登場するやスサノオ、天狗、キツネなどに登場する面が飾られている。松江市殿町の古代文化センター職員で神楽を研究する石山祥子学芸員(43)によると「島根県の多くの家には、魔除けや守り神的な意味でお面を飾る風習がある。面を飾る文化は日本各地にあるが神楽の面を玄関に飾るのは島根県独自だと考えられる」と話した。 小林工房のパンフレットには飾り面や神楽面などが載る  雲南市大東町に住む会社員の藤井聖弥さん(23)の家の玄関には、石見神楽の演目「鐘馗(しょうき)」に登場する飾りがある。20年以上前に父親が購入した。「浜田で購入したもので、玄関に飾っている。魔除けの意味らしい」と話した。 意外に新しい風習  大田市温泉津町で神楽面を制作する小林工房の小林泰三さん(43)は「新しくお店を開く時や、家を建てた時、男の子が生まれた時のお祝いの時などに石見や島根では飾り面を送る風習がある」と言う。小林さんによると、飾り面の風習は古くない。戦後の高度経済成長の時に多くの家が建ち、県内で根付いたのではないかと考えられるそうだ。 神楽面を持つ小林泰三さん 「性根をこめる」  飾り面は、種類によってそれぞれに意味がある。例えば、