西条柿の状態を確認するパート従業員=出雲市上岡田町、JAしまね平田柿選果場
西条柿の状態を確認するパート従業員=出雲市上岡田町、JAしまね平田柿選果場

 県内の本年産西条柿「こづち」が4日、主産地の出雲市平田地域で初出荷された。11月中下旬ごろまで山陽方面を中心に前年比16%増の420トンを出荷し、販売額は3%増の1億3500万円を目指す。

 西条柿は後味がしつこくない、さっぱりとした甘みが特徴で、デザートとして人気が高い。本年産は盆以降の日照不足にたたられ、9月29日の査定会では平均果重169グラム、渋抜き前の糖度18・3度で、過去10年の平均値をわずかに下回った。今後の日照条件改善で向上が見込まれるという。

 JAしまね平田柿選果場(出雲市上岡田町)で朝8時から選果され、出来栄えを基に秀、優、規格外の3等級に分け、渋抜きして箱に詰めた。最高等級の特秀は10日以降に収穫されるという。販売先は山口県と広島県が6割以上を占める。大阪府や福岡県にも出荷され、シンガポールにも輸出される。島根県内のスーパーや量販店にも並ぶ。

 出発式には関係者約30人が出席した。JAしまね出雲平田柿部会の川瀬利治部会長(71)は「さっぱりとした甘さを満喫してもらいたい」と話した。

 10月中旬には加工品「島根あんぽ」の出荷も始まる。出荷量は24%増の39トン、販売額は20%増の9千万円を見込む。 (藤原康平)