日本航空(JAL)の客室乗務員(CA)が5月から、出雲市内を周遊する観光タクシー「うさぎ号」に乗車し、観光ガイドとして活動する。市の依頼に同社が応えて実現。「おもてなしのプロ」の力を借り、新型コロナウイルス感染拡大で落ち込む観光需要の掘り起こしにつなげる。 (月森かな子)
国内線、国際線のCAでJALが昨年12月に結成した「ふるさと応援隊」の県担当20人が火曜から3日間、週ごとに1人ずつ勤務。
9コース設定してある「うさぎ号」のガイドのほか、観光案内所「神門通りおもてなしステーション」(出雲市大社町杵築南)の業務も担当する。20人のうち、9人は県出身者。
4月に研修を行い、5月4日に業務を始め、6月まで活動する。以降は同社の運航状況などを踏まえて対応を協議するという。
26日に市役所であった会見で、伊藤功副市長は「出雲観光の質が高まる」と期待。活動する瀬沼亜沙子さん=江津市出身=は「ガイドのプロフェッショナルとしてお客さまに楽しんでもらえるよう出雲の魅力を伝えたい」と意気込んだ。
うさぎ号は市が出雲観光協会に委託し、昨年9月に運行を開始。コースは地元の蔵元や飲食施設、日御碕神社(同町日御碕)などで構成する。
料金は2人で所要時間約5時間のコースを選んだ場合、1人当たり1万4千円からとなっている。
事業費は300万円で、市が新型コロナを受けた緊急対策として3月の補正予算に追加で計上した。