兵庫県警が現場検証を始めた「東条湖おもちゃ王国」の立体迷路施設「カラクリ迷宮のお城」=11日午前10時9分、兵庫県加東市(共同通信社ヘリから)
兵庫県警が現場検証を始めた「東条湖おもちゃ王国」の立体迷路施設「カラクリ迷宮のお城」=11日午前10時9分、兵庫県加東市(共同通信社ヘリから)

 10日午後2時すぎ、兵庫県加東市黒谷の遊園地「東条湖おもちゃ王国」で、立体迷路施設「カラクリ迷宮のお城」(木造5階建て)の3階の床が抜け、利用客の男女7人が2階部分に落下し、6人が重軽傷を負った。

 

 加東署が11日、業務上過失傷害の疑いで施設を現場検証した結果、現場で落下した木材の一部が腐食していたことが分かった。腐食で床の強度が弱まっていた可能性があるとみて、保守管理状況や構造に問題がなかったかどうか調べる。

 署によると、大阪府東大阪市の男性会社員(24)と、東大阪市のパート従業員の女性(27)がそれぞれ腰の骨を折って重傷。女性(38)と娘(7)、重傷男性の妻(27)、重傷女性の夫(27)が軽いけが。重傷男性の娘(1)も転落したが、けがはなかった。

 3階部分の床を支えていた梁(はり)が外れ、床の木板24枚が幅約1メートル、長さ約2・3メートルにわたり落下。約2・4メートル下の2階の落下部分は無人だった。

 遊園地関係者によると、系列の「軽井沢おもちゃ王国」(群馬県嬬恋村)でも2014年、同種の立体迷路で床が抜け客2人が軽傷を負う事故があった。警察などの調査では、雨による腐食で床の木材をつなぐビスやくぎの強度が不十分だったことが原因とみられる。事故があった立体迷路はいずれも千葉県浦安市の遊具会社が製造、施工していた。

 東条湖おもちゃ王国では13年に立体迷路を設置し、14、17年に増床などのリニューアルを実施。軽井沢の事故を受け改良工事もした。施設は社員が毎日目視で点検するほか、月1回はボルトや板のひずみの有無なども確認していた。

 10日は午前9時半から営業し、約2千人が来園。事故を受け11日から14日まで臨時休園する。