任期満了に伴う浜田市長選に立候補した現職と新人の横顔を紹介する。
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西川 真午氏(無新、55歳) 趣味の落語 年に50回披露
 児童の登校時の見守り、観光ボランティアガイドなどの市民活動に汗を流し、地元を見つめてきた。

 市中心部の朝日町で育ち、少年時代の土曜夜市のにぎわいが記憶に残る。金魚すくいや輪投げを楽しむ子どもでごった返した。

 父からは「待て」と市長選立候補を反対されたが「待てば浜田が悪くなる」と決意。「若者が集える場所を再びつくりたい」と願い、若手や女性の起業家、地元・島根県立大との連携を見据える。

 趣味は落語。新型コロナ禍の前は年50回程度、落語会で披露した。最初はあまり笑ってもらえなかった。江戸落語の本質は爆笑ではなく、くすくすとした笑いだと考え直すと、客席がよく見えるようになり、客の静かな笑いで自信をつかんだ。

 戦後を代表する名人・古今亭志ん生の得意演目「火焔(かえん)太鼓」がお気に入りだ。高貴な武士の目に留まり、古くて汚い太鼓に高値が付く物語。「浜田にも美しい海、歴史と、良いところがたくさんある。資源を生かしたい」。志ん生ほどの持って生まれた話芸はなくとも、地域に根差した訴えで浸透を図る。松原町。 (板垣敏郎)


久保田 章市氏(無現、70歳) 青汁、酢、甘酒飲んで健康
 初当選から8年、休む間もなく公務をこなしつつ、健康に人一倍気を付けてきた。今年4月に古希を迎えたものの、気力と体力には自信があり「会う人会う人に『70歳には見えないですね』と言ってもらえている」と喜ぶ。

 健康を意識し始めたのは、体力勝負の銀行員だった30代から。以来、毎朝、青汁や酢を飲むことが習慣となっている。

 実家のみそ麹(こうじ)店で造る甘酒を、水道水で割った甘酒水を飲むことも、健康維持の秘訣(ひけつ)という。甘酒はアミノ酸、ビタミンなどの栄養素を豊富に含み、「飲む点滴」といわれる。ペットボトルに入れて出勤し、お茶代わりに飲む。

 庁舎3階の市長室まで階段を使うことを心掛ける。自宅にはランニングマシンを置き、1日8千歩を目標に訓練する。

 高齢になると、どうしても病気が多くなりがちだが、健康への不安は全く感じていない。「健康なくして気力の充実はない。健康であることが正しい判断や行動につながる」

 次の4年も全力で、自信を持って市政のかじ取りを担う覚悟はできている。竹迫町。 (勝部浩文)