出荷に向けて生育が進むトマト=安来市穂日島町、LPCベジタリアファーム
出荷に向けて生育が進むトマト=安来市穂日島町、LPCベジタリアファーム

 アミューズメント事業を展開する丸三(出雲市渡橋町)が、島根大発のベンチャー企業でトマトを生産する農の郷(安来市穂日島町)の全株式を取得した。栽培品種の拡充や新たな品目展開も計画し、観光農園事業の強化で売り上げ増を目指す。

 7月30日付で取得し、10月1日に社名を「LPCベジタリアファーム」に変更した。役員1人は残り、パートを含む社員10人の雇用は引き継いだ。社長は丸三の今岡幸徳取締役(48)が兼務で就いた。株式取得額は非公表。

 農の郷は、山陰合同銀行や政府系の地域経済活性化支援機構などでつくる「しまね大学発・産学連携ファンド」から1億6千万円の出資を受け、2016年11月に設立。当初から5年後までに売却する方針を掲げていた。

 丸三は出雲市内でトマト栽培の経験があり、農業に再参入となる。島根大とは味の決め手となる糖度や酸度、機能性成分リコピンの含有量を調べる研究を続け、加工品開発も進める。

 穂日島町内の中海干拓地に構える3200平方メートルの専用ハウスでは、従来の中玉トマト「フルティカ」の他に栽培品種を増やす。収穫量を年21トンから30トンに引き上げ、22年9月期は前期比600万円増の3千万円の売り上げを目指す。

 百貨店やスーパーなどへの出荷に加え、トマトが食べ放題となる観光農園の受け入れを拡大させる。今期は30日にスタートし、開催日は土日祝日で1日当たりの回数や定員を増やす。ハウスに隣接する事務所に直売所も新設する。

 イチゴやアスパラガスなどの栽培も今後検討しており、今岡社長は「観光農園を新たな売りにし、グループで展開する余暇アミューズメントの事業領域を拡大させる」と話した。(久保田康之)