【津和野】JR山口線を走る蒸気機関車の観光列車「SLやまぐち号」が23日、11カ月ぶりに運行を再開した。「デゴイチ」の愛称で親しまれるD51形が汽笛を響かせ、JR津和野駅(島根県津和野町後田)に到着すると、乗客が盛んにカメラやスマートフォンのシャッターを切った。
今季の運行を担うD51―200号機は定期検査で台車に3カ所の亀裂と傷が見つかり、昨年11月から運転を見合わせていた。12月19日までの土曜日と日曜日に新山口―津和野間を1日1往復する。
やまぐち号は満員の245人を乗せて新山口駅を出発した後、沿線に煙をたなびかせながら力走した。
津和野駅で降り立った山口県周南市の大学生岩井紀樹さん(18)は「10年来の鉄道ファンで、SLには初めて乗車した。石炭のにおいが独特で、実によかった」と話した。
やまぐち号を巡っては、JR西日本が今年7月に台車の亀裂や傷を発見しながら、国土交通省への報告が2カ月半以上遅れた問題が今月19日に発覚した。
(中山竜一)