「しまねがドラマになるなんて!」第1話に登場したバラパン
「しまねがドラマになるなんて!」第1話に登場したバラパン

 島根を舞台にした青春ドラマ「しまねがドラマになるなんて!」(企画制作・島根県、TSKさんいん中央テレビ、山陰中央新報社、読売広告社)が好評だ。作中には島根ゆかりの商品や店舗が登場し、いずれも放送後に多くの反響が寄せられている。県民にとっては身近過ぎて気付かない島根の魅力に、ドラマを通してスポットが当たっている。(Sデジ編集部・吉野仁士)

 

 ドラマは全10話で、TSKさんいん中央テレビで毎週水曜午後8時54分から5分間放送する。親の転勤のため、東京から島根に転校した高校生「東京子」と、島根で生まれ育った同級生3人組が、生き方を模索しながら島根の魅力に気付くストーリー。10月20日放送の第1話の平均世帯視聴率は18・2%(ビデオリサーチ社調べ、山陰地区)で、同時間帯に放送された番組の中でトップだった。

ドラマの主演を務めた、女優の田鍋梨々花さん(左)ら4人

 

 ▼放送後に売り場が空に

 第1話のタイトルは布施明の名曲「君は薔薇(バラ)より美しい」をもじった「君はバラパンより美しい」で、4人の出会いを描いた。作中では地域で長年親しまれる、バラの形が特徴的なバラパンが登場。同級生にバラパンを手渡された東京子が「かわいい。何これバラ?」と形状に触れた。

バラの花びらをかたどった「バラパン」。開発から70年以上にわたり、職人が手巻きを続ける出雲市のソウルフード

 バラパンはなんぽうパン(出雲市知井宮町)が70年前から製造し、多くの地元スーパーに並ぶ。バラの形になったのは、当時の職人の「バラのように美しいパンを作りたい」という思いからで、くしくもドラマと同じく「美しさ」がポイントだった。味は通常のクリームに加えて、コーヒーや抹茶といった5種類がある。

 なんぽうパンの森山英一営業部長(58)によると、ドラマの告知CMでタイトルが連呼された影響か、第1話の放送日からパンの購入者が増え、放送日翌日には売り場からパンが消えるスーパーがあった。さらに社員がスーパーに配達に回る中で、配達先の店や利用客から「(ドラマに)出ちょったね」と声を掛けられるという。

 森山部長は「ドラマに出演するほど地域に親しまれているんだと思うとうれしい。県民にこれだけ注目してもらえるのはとてもありがたいこと」と喜んだ。

 

 ▼あらためて気付く店内の雰囲気

 第2話はイギリスのロックバンド、クイーンの楽曲「ボヘミアン・ラプソディ」にちなんだ「みしまやン・ラプソディ」で、スーパーのみしまや(本部・松江市雑賀町)が舞台に。母親とはぐれ、スーパーから外に出て迷子になり「ママ」と連呼する子どもを、主人公たちや店員、利用客全員で探すストーリーだった。

ドラマ第2話の舞台になったみしまや楽山店。作中では大人数による迷子の大捜索が繰り広げられた

 みしまやは松江、大田、雲南の3市に計13店舗を出店し、ドラマでは朝酌川沿いにある楽山店(同市西川津町)で撮影した。同社総務部の小西由美・総務マネージャー(51)は、開店前の早朝4時からの撮影に立ち会い、第2話の放送を心待ちにした。見終わった後は「テレビで見ることで、地域の温かい雰囲気があふれる店だとあらためて気付けた」と満足げだった。

 放送日翌日はドラマを見た取引先や客から反響があり「何気なく通っていたけど、川沿いにある店ってすてきだね」「やっぱり地元にとってみしまやさんは大切な存在だ」とうれしい言葉をもらったという。

 小西総務マネージャーは「古くから島根で経営を続けてきたことをあらためて認めてもらえた。次回以降も島根の魅力をさりげなく発信してほしい」と期待する。

 

 3日放送の第3話は、給食牛乳でおなじみの、木次乳業(雲南市木次町東日登)の木次牛乳が取り上げられた。全10話が放送される12月22日まで、毎週さまざまな島根の特産品や場所が登場する。地元ネタ満載の「しまドラ」は、見過ごしてきた魅力に気付くきっかけとなりそうだ。