石見フェアの期間中に提供される予定のコース料理
石見フェアの期間中に提供される予定のコース料理

 東京都内の高級料亭や蕎麦店など約30店舗で8~30日、ノドグロやアナゴ、バトウ(マトウダイ)など島根県西部が誇る食材を使った料理フェアが開かれる。県西部の宿泊、観光業者ら23社でつくる「石見ツーリズムネット」が企画した。人気店を訪れる食通に自慢の味をPRし、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ観光需要の回復につなげる。
 調理師会「東京調友会倶楽部」に加盟する約30店舗は港区や新宿区に立地する高級店が中心で、富裕層のリピーターが多い。各店がノドグロなどの魚介類をはじめ、特産豚肉・まる姫ポーク、ゴボウといった食材を使い、アラカルトやコース料理を提供する。
 中央区築地の「日本料理 魚月(なづき)」は14日、店内に200台ある大型モニターから石見神楽や三瓶山、浜田漁港の競り風景を上映。オンラインで生産者らの中継映像も流し、現地を旅しているような趣向で料理を楽しんでもらう。
 過去に例がないフェアは、調友会倶楽部の会長を務め、県西部の観光地を巡る「レストランバス」の料理を担当したこともある日本料理店「僖成(きなり)」の斉藤道明代表取締役の協力で実現した。ツーリズムネットの植田智之副会長は「食を通じて石見地方に関心を持ってもらい、将来的に石見を訪れるきっかけづくりにしたい」と話した。
 (福新大雄)