児童たちに戦争体験の紙芝居を披露する田中豊司さん(右)と高野淳さん=島根県津和野町森村、津和野小学校
児童たちに戦争体験の紙芝居を披露する田中豊司さん(右)と高野淳さん=島根県津和野町森村、津和野小学校

 島根県津和野町鷲原の男性2人がこのほど、津和野小学校(津和野町森村)で、自作の紙芝居を使って子どもの頃の戦争体験を伝え、6年生や教職員ら約30人に戦時中のひもじさや平和の尊さを訴えた。

 語り部は田中豊司さん(82)と高野淳さん(77)。紙芝居はA3判の画用紙20枚で、国民学校での様子を取り上げ、校庭を耕してサツマイモを植えた体験や、松の木にのこぎりで切れ目を入れて燃料用の松やにを採取したこと、竹やりの使い方を教わった思い出を語った。

 聞き入った永田莉子さん(11)は「家で祖母から戦争の話を聞いている。私たちは戦争を知らないが、次の世代に怖さを伝えたい」と話した。

 2人は15年前からボランティアで平和教育に取り組んでおり、町内外の小学校や老人福祉施設を訪ねて紙芝居を披露。田中さんは「平和活動として自らの体験を紙芝居にまとめ、子どもたちに分かってもらえるように取り組んだ」と語った。

 (青木和憲)