京王線電車での刺傷事件や九州新幹線での放火未遂事件を受け、山陰両県の鉄道、バス事業者が危機感を強める。路線バスは乗務員1人だけで、鉄道も両県では運転士1人のワンマンカーが多く、運転中の対応は限られる。防犯カメラや乗客の連絡で異常事態を察知し、車外のSOS表示や警察への通報で助けを求め、車を停止して乗客を避難させるしかないのが実情だ。

 JR西日本米子支社や一畑電車(出雲市)のほか、一畑バス(松江市)や日ノ丸自動車(鳥取市)など両県のバス事業者6社によると、両県ではこれまでに、車内で乗客に危害が及ぶ事件は起きていない。京王線電車や九州新幹線での事件を受け、各社の担当者は「山陰でも起こりうる事件だ」と警戒。JR西米子支社は12日、車内に刃物を持った不審者が現れたと想定する訓練を、警察や消防と連携して行った。

 JR西は...