小林建設(島根県邑南町下田所)が手掛けるチョウザメの養殖事業で、未利用だった魚肉や軟骨の缶詰3種が完成した。卵を塩漬けにしたキャビアは人気だが、魚肉は大半が餌の原料となっていた。邑南町産チョウザメをアピールする新商品として、道の駅瑞穂(同)で1日に販売を始めた。
同社はアムールチョウザメやシロチョウザメなど7種、計約1万匹を養殖している。魚肉は一部、薫製として販売しているが、さばききれず、チョウザメの餌に混ぜて活用していた。
水産加工業のシーライフ(浜田市原井町)に依頼し、2019年6月に加工品の研究開発に着手。完成した缶詰は魚肉の水煮とオイル煮に加え、軟骨のしょうゆ煮付けはとろけるような食感と甘さを抑えめの味付けにした。
小林建設の関連会社で、キャビアの製造販売を担うセレビア(同町上田所)が通販サイトでも販売している。価格は3種とも1缶756円で、9月末までに各500缶の販売を目指す。
小林憲治社長(75)は「キャビアとともに邑南町産チョウザメの魅力を伝え、知名度を高めたい」と話した。
(村上栄太郎)