出雲市多伎町多岐のラーメン店「らーめん工房 海」が月1回、多伎町民限定で安価に料理を振る舞う子ども食堂を始めた。新型コロナウイルス禍で売り上げが減る中、地元の客のありがたさが身に染み、「感謝の気持ちを」と思い立った。初回は17日にあり、オリジナルのカレーライスなどに地元の子どもや保護者らが舌鼓を打った。
店は道の駅キララ多伎に近い国道9号沿いにある。昨年から新型コロナ禍で客足が遠のいて売り上げが平年の7割に落ち込み、今夏は地滑りに伴う国道の通行止めが追い打ちを掛けた。
それでも、前を向いてこられたのは、変わらずに顔を出してくれる地元の客のおかげ。「ほかの店が閉めているのに、よくやっているね」と励ましも受けた。
恩返しを、と市社会福祉協議会の協力を得て子ども食堂「キララっ子食堂」を発案。17日はラーメンの鶏だしを加えたカレーライス、鶏肉の唐揚げ、サラダを約100食分用意した。家族と訪れた多伎小学校5年の山田栞大君(11)は「唐揚げもカレーも超おいしい」と喜んだ。
鳥谷修オーナー(53)は「コロナで厳しい時期もあったけど地元の支援が励ましになった。子どもたちが来てくれてほっとしている」と話した。
小学生以下無料、中学生以上200円。大人でも食べられる。次回は12月中旬を想定。無料通信アプリLINE(ライン)での予約制とし、テークアウトも検討する。問い合わせは「らーめん工房 海」、電話0853(86)7311。
(井上雅子)