浜田市の久保田章市市長が30日の市議会で浜田歴史資料館(仮称)の計画凍結を表明した。市長選で計画反対を訴えた候補に僅差に迫られた結果を踏まえ、整備の目的や意義について市民への説明不足だったことを認めた形だ。市議会からは、丁寧な説明を求める声が相次いだ。

 資料館の整備構想は曲折をたどっている。久保田市長1期目の2015年に立ち上げた「浜田城周辺整備検討会」で本格検討が始まったものの、17年3月議会に提案した総事業費11億2800万円の関連予算案が疑問を呈されて撤回した。

 今回は、市世界こども美術館の増改築により、建設費を約7億5千万円に圧縮できる上、過疎債や、ふるさと納税を積み立てた基金で財源を賄うことで、財政面での懸念もクリアできると主張した。

 だが、旧那賀郡も含めると複数の美術館を有する浜田市に、なぜさらに文化施設が必要かという「そもそも論」は、老朽化した浜田郷土資料館(黒川町)の代替施設という以上の説明は不足しており、市長は原点に立ち返っての議論が必要と判断したとみられる。

 市議会最大会派・山水海の串崎利行代表は「会派の中でも、市民の反対意見を無視できないという議員がいる」とし、必要性についての執行部の説明をあらためて聞く考え。第2会派の超党みらいの布施賢司代表は「市民との距離を縮める努力が必要だ」とし、市長との直接対話を求めた。

  (勝部浩文)