岸田文雄首相は8日の衆院本会議での代表質問で、18歳以下の子どもへの現金とクーポンの計10万円相当給付について「地方自治体の実情に応じて現金での対応も可能とする」と表明した。現金一括支給に比べ事務経費が約900億円増となることへの批判を念頭に置いた。新型コロナウイルスワクチンの3回目接種の前倒しに関し、早期に既存ワクチンの「オミクロン株」への効果を見極めた上で「優先度に応じて前倒しの範囲や方法を示したい」と述べた。 

 政府が11月中旬に決定した経済対策はクーポンについて、自治体の実情に応じて現金給付も可能とした。ただ首相が世論の批判にも応える形で表明したことで、自治体側が混乱する可能性がある。

 首相の所信表明演説に対する各党代表質問が始まり、立憲民主党の泉健太代表がコロナ対応などを巡り、初めて首相との論戦に臨んだ。

 泉氏は、クーポン給付で経費が増え「市町村の手間も非常にかかる」として、自治体の判断で現金給付もできるようにすべきだと要求した。

 首相は5万円相当のクーポン給付を原則としつつ、柔軟に対応すると言明。どのような場合に現金給付にできるかに関して「地方自治体の意見を伺いつつ、具体的な方法を検討する」と語った。

 ワクチンの3回目接種前倒しについて、政府は重篤化リスクや感染状況などを踏まえて、前倒しの地域や年齢層を検討する考えだ。

 泉氏は、コロナ対応の経済対策の裏付けとなる2021年度補正予算案の国会提出が遅すぎると批判。6月に補正予算編成を提案したのに「耳を貸すことなく第5波が起きた」と訴えた。

 首相は、補正予算案でコロナ禍で影響を受けた人への万全の支援を行うと反論。22年度税制改正で焦点となっている賃上げ税制の強化に関し、企業の法人税額から差し引くことができる控除率を大企業で最大30%、中小企業で最大40%へ引き上げると表明した。

 泉氏は、国会議員に支給される「文書通信交通滞在費」の日割り支給への変更や使途公開に関し、今国会での実現へ首相の決断を求めた。首相は「各党がしっかりと議論し、合意を得る努力を重ねる必要がある」と述べるにとどめた。