生徒(中央)が握るコントローラーを視察する松江工業高等専門学校の教員=松江市上乃木5丁目、松江緑が丘養護学校
生徒(中央)が握るコントローラーを視察する松江工業高等専門学校の教員=松江市上乃木5丁目、松江緑が丘養護学校

 ゲームの腕前を競うeスポーツを授業に取り入れた松江緑が丘養護学校(松江市上乃木5丁目)と、松江工業高等専門学校(同市西生馬町)が、手足を自由に動かせない生徒向けに、ゲームの操作に使う特製コントローラー開発に乗り出した。それぞれの身体の状況に合った仕様で設計する。高齢者や障害者向けのeスポーツ活用が注目される中、需要は高まりそうだ。 (中島諒)

 緑が丘養護学校では今年9月から、自由に体を動かせない高等部の生徒4人が週2回、体育の授業としてサッカーゲームをプレーしている。通常の体育で行う散歩やボール投げに代わり、ゲームの世界で運動の面白さや、チームプレーを学んでもらう狙いがある。

 ただ、市販のコントローラーでは手足の筋力が落ちた生徒には持ちにくかったり、ボタンを押しにくかったりと難点が多い。養護学校が松江高専に特製コントローラー開発を持ち掛けた。

 8日には松江高専環境・建設工学科の大屋誠教授と高専職員計4人が緑が丘養護学校で体育を視察した。職員はゲームを遊ぶ生徒の手元を観察し、改善してほしい点などを確認した。年度内を目標に試作する。動かしやすいよう、操作に使うスティックとボタンを分離する設計を想定しており、完成後も筋力の変化や病の進行に合わせて改良する必要があるという。

 認知症予防や運動不足解消などを目的に、高齢者や障害者がeスポーツに取り組む例も全国的に増え、大屋教授は「活用の幅は広い。多くの人に楽しんでもらえるコントローラーを製作したい」と意気込んだ。緑が丘養護学校高等部3年の小林浩典さん(18)は「ボタンを押し込むのが難しい時がある。指が疲れにくい物をぜひ作ってもらいたい」と期待した。