島根を舞台にした青春ドラマ「しまねがドラマになるなんて!」(企画制作・島根県、TSKさんいん中央テレビ、山陰中央新報社、読売広告社)が22日、最終回を迎える。島根の魅力にスポットを当てながら、青春物語を繰り広げてきた、ストーリーを振り返り、最終回の見どころを紹介する。(Sデジ編集部・吉野仁士)
ドラマは全10話で、TSKさんいん中央テレビで毎週水曜午後8時54分から5分間放送。ストーリーは親の転勤のため、東京から島根に転校した高校生「東(あずま)京子」と、島根で生まれ育った男子同級生3人組が、生き方を模索しながら島根の魅力に気付くというもの。
作中にはバラパン、みしまや、赤天、キンニャモニャといった島根ゆかりの商品や店舗、伝統文化が登場し、タイトルも「君はバラパンより美しい」「ちょうかんぼうに花束を」と有名な曲や作品の名前をひとひねりしてあり、くすりと笑える。放送のたびにSNSで「なつかしい」「タイトルに笑った」と話題になった。

10月20日放送の第1話の平均世帯視聴率は18・2%(ビデオリサーチ社調べ、山陰地区)で、同時間帯に放送された番組の中でトップ、9話までの平均世帯視聴率は13・1%(同)に達した。第5話(11月17日放送)では全話中最高の19・1%を記録した。会員制交流サイト(SNS)の公式アカウントのフォロワー数は、ツイッター6247人、インスタグラム1305人(20日正午時点)。各話が視聴できる動画サイト、ユーチューブでの総合再生回数は9万6569回、見逃し配信サイト「TVer(ティーバー)」のマイリスト登録数は2万710(同)と堅調な人気を保っている。
▼注目集まる登場人物たちの結末
最も注目が集まるのは、個性豊かな登場人物たちの今後だ。
ヒロインの東京子は学者である母親の転勤とともに転校を繰り返し、クラスメートと深く関わることを避けてきた。島根では男子同級生3人組と迷子捜しやバイト経験を通して仲良くなり始めるが、そんな時、母親の北海道への転勤が決まる。
第6話では3人組の1人で、東に片思いする石見真之介に、東が転校するであろうことを告げると、東京でバンドを組む夢を抱く石見に「一緒に東京へ行こう」「本当に北海道に行きたいの?」と言われるが、東は「それ以上言わないで」と突き放してしまう。SNSでも「あー切ない…」「どうなっちゃうの」と心配する声が寄せられた。
第7話では東が大阪府から単身でIターンして飲食店を開く箕輪陽子と話す中で「誰かに任せたらあかん」「自分のことは自分で考えるんよ」と言われ、あらためて自分のやりたいことを考え出す。悩んだ末、第9話で母親に「どこに行くか自分で決めたい」と切り出すと、母親はほほえみ、自由に生きるよう告げた。
一方で、東京でバンドを目指していた石見や、将来を決めかねていた同級生の出雲陽人、隠岐達也の3人組も、ふるさとや仲の良い同級生の存在をうらやむ東の発言を受け、徐々に島根の魅力に気付き始める。

▼最終回、気になる要素が満載
第9話では石見地方の魅力発信のため、仲直りした東と3人組が石見神楽の面を着けてバンド演奏をする動画を撮影することになった。公式サイトの予告によると、最終回「さらば青春の湖」では同級生の兄弟などを交えて動画を撮影、編集する中で、東が石見に「ある決断」をしたことを伝えるそうだ。
第9話の放送以降、SNSでは物語の結末を期待する声と最終回を惜しむ声が相次いだ。「面白くなってきたと思ったらもう終わる」「最終回なのさみしい」「次回がラストになるなんて!」との投稿があり、ドラマがいかに愛されたかを物語る。
そんな人気ドラマの最終回を前に、ヒロイン役の田鍋梨々花さんがコメントを寄せてくれた。(以下原文)
「最終回まで本当にあっという間でしたが、放送される度にSNSでたくさんのメッセージを頂き、反響の大きさに驚きと嬉しさをとても感じています!
最終回では京子や真之介がある決断をします。見終わったあとに自分のふるさとを見る目が変わると思いますし、私自身もふるさとについて考えることが出来ました。最終回ではある所をたくさん走ったけん、みてね~」

決断とは何なのか、バンド演奏動画は完成するのか、東はどこを走ったのか。気になる要素が詰まった最終回は、22日午後8時54分から放送予定。2カ月にわたる青春ドラマの結末を見届けたい。