短歌 宮里勝子選

誤配とは気づかず開けしカタログに春の新種の花溢れ咲く     安 来 仙田 典夫

 【評】宛名を見ずに開封した後に気付く後悔は、カタログにひろがる色鮮やかな春の花に見とれて薄れていった、かすかな心の動きを明るく展開させている。新種の名前は片仮名が多く覚えきれないが、溢れ咲くで様子が見え、素材に発見がある。

買い物に薔薇を一輪加へたり八十一歳わが誕生日         益 田 能美 紀子

 【評】買い物の折に一輪買い添えたバラの花が浮かびます。ささやかな一本は部屋を飾り作者...